思い出置き場

不定期更新

7月1日 5年後の部屋

「2chで15年かけて969まで育てたスレが荒らしに埋められた」というブログを読んだ。懐かしくなってしまったので、自分も子供の頃を振り返ろうと思う。

ミナコイチャットというチャットサイトがある。2009年に開設され今年でちょうど10年になった、少し歴史が浅めのサイト。自分がまだ入り浸っていた時は昼夜問わず1000人単位の参加者(うろ覚え)で賑わっていたが、今は300人いれば良い方みたいだ。

当時小学3年生で3DSを買ってもらい、うごメモで絵を描いたり見たり褒め合ったりして過ごすのが日課になった頃、3DSしか持ってないような子供がみんなで集まって雑談したい時に使うのがミナコイだった。そこからはズブズブと沈むようにのめりこんだ。

7、8年前だったか。公式ルームのひとつだった小学生部屋に居座って、雑談をしたり近況報告したり、サイコロ機能を使って出目の数を競ったり王様ゲームをしたり。同時入室バグで定員オーバーさせてもみくちゃになって話したり、当時の自分からすれば順風満帆なチャットライフを送っていた。それはもう楽しくて仕方がなくて、話題の尽きない常連のみんなが大好きだった。

2014年12月の年末、「愚痴部屋」と名付けて部屋を立てる。きっかけは友達Yが荒らしだと勘違いされBANされたことによる怒り。Yは20代ながら口少々威圧的な態度でキレのある容赦ないディスりを披露する女たらしだったが、打ち解けた人にはフレンドリーに接してくれるため、仲良くなれた時の喜びは凄まじいものだった。それもあって、怒りが臨界点に達したのだろう。犯人に目をつけられないように愚痴部屋と銘打ち、こっそり立てた。

そこでYを励ましたら消すつもりだったが、他の常連に見つかったことにより、内輪話中心の部屋になっていく。荒らしが入ってくる暇もなく、連日大量のログが流された。

そうして中学2年生になった頃には、少しずつチャット離れしていった。今に至るまでの間、たまに思い出すことはあっても、部屋を覗くことはなかった。というか、変な喋り方や態度を取っていた時の見るに耐えない過去ログを見たくなかった、というのが正しい。

しかし今日、冒頭のブログを読み、ふとこの部屋を見に行った。そして口から心臓が飛び出るくらい驚いた。当時仲間だった小学生たちが数人通ってくれていたのだ。

2ヶ月くらいの間隔でポツポツと近況報告が残されている。鉢合わせることもあるようで、たまに短く雑談もされていた。

約3万もある無数の部屋の中からなぜここを思い出し、なぜ足繁く寄っていってくれるのか。わからないが、みんな口を揃えて「懐かしい」と言う。もう16歳。ギターを弾いていたり、相変わらず絵を描いていたり、みんなそれぞれ道を進んでいる。「救われた」、なんて照れくさい言葉も書いてあった。

嘘は何一つない。というか、自分でも信じられない。みんなの記憶にそこまで自分がこびりついてるなんて誰が想像し得ようか。

あの頃に戻りたい…。冒頭のブログの15年と比べるなどおこがましさすら感じるが、確かに心の底からこみ上げてくるものがあった。これからもこの部屋は大切にしようと思う。


おやすみなさい。